ガシャポンのカプセルでテントウムシのサナギの羽化
知らないテントウムシの幼虫(前蛹(ぜんよう))を見つけたのでガシャポンのカプセルの中で羽化させた。簡単なのでテントウムシのサナギを見つけたらチャレンジしてみて欲しい。
──────────
◆2021年5月9日15時(1日目)
林を歩いていると妙に大きなテントウムシの幼虫を発見。
おしりの先と葉っぱを粘着質の液体でくっつけており、その場から動かない。前蛹という状態だ。
前蛹とは、文字通り蛹(さなぎ)になる前の段階。葉っぱや枝にくっついてじっとして、体の中をサナギに変えてから皮を脱いでサナギになる。多分。
見たことのない幼虫だったので、どんなテントウムシになるかを知るために持って帰った。他の虫の世話も忙しいが、前蛹になっていたらあとは放っておくだけなので手間はかからないはず。
葉っぱごとちぎり袋に入れ、潰さないように気をつけつつ娘と一通り遊んで帰宅。
家についた頃にはもうサナギになっていた。
この写真で言うと、左下がおしり、右上が頭にあたる。
サナギになる所は見たかったが、生きていてなにより。
今回はなるだけ簡単な設備で羽化させることに。使ったのはガシャポンのカプセル。
葉っぱを切り、上の方をセロハンテープでとめた。
セロハンテープの粘着部が浮いていると羽化したときに成虫がくっついて足がもげるかもしれないのでシッカリ貼る。
このとき、葉っぱにくっついているお尻が上になるようにする。自然ではこの体勢が多いと思うためである。
ガシャポンのカプセルには成虫が逃げ出せない程度の大きさの穴があいており、温湿度の調整や空気の入れ替えにピッタリと考えた。
このまま、空気の通りがよく直射日光の当たらないところ、今回は玄関の靴箱の上に置いて、羽化するのを待つ。簡単である。
──────────
◆2021年5月15日22時(7日目)
気がつくと羽化していた。カプセルの中に黄色い影が。
羽化したてのようで、まだ色が完全についていない。それにしても美しい。桃の缶詰みたい。
裏側。こちらも黄色い。
手足は黒いが、見つけたとき羽化してからどのくらい時間が経っていたのか不明なため、最初はどんな色だったかはわからない。
羽化したては体が柔らかいため、とりあえずそっとしておくことに。
──────────
◆2021年5月16日7時(8日目)
色がしっかりついていた。カメノコテントウだ。
裏側も黒くなった。
幼虫のデカさから多分カメノコだと思っていたけど、やはりそうだった。
カメノコテントウはよくいるナナホシテントウやナミテントウを見慣れているとギョッとするくらい大きい。
山やちょっとした林でしか見たことがない。そもそも生きているのをみたのは数回目だ。まあ、よく山に虫を見に行く人はしょっちゅう見ているのだろうけど。
サナギの殻と一緒に。
大きさを伝えるのにはどうすればいいだろうか。ナナホシテントウのサナギの殻と比べてみようか。撮ったら写真をアップしよう。
この後、元々幼虫がいた所に放した。
──────────
初めてやってみたが、簡単に羽化させることができた。特に問題は無かったように思える。まあ自然のままなのがベストなのだろうけれど。
難しいことはないとおもうが、注意点は以下。
・サナギ単体で剥がすことはできない。壁や木の幹についているものは無理にはがすと潰れてしまう。葉っぱについているものを葉っぱごと持ち帰るのが良い。
・直射日光に当てない。暑くなるところには置かない。
・カラカラに乾燥してるのも良くないだろうけど、ジメジメしてたらカビ生えそう。
・セロハンテープの粘着面が表に出ないように気をつける。
・カプセルを閉じるときに虫を挟んだり、開けるときに引っ張ったりしない。
・カプセルは丸いので転がっていかないように何かでおさえておく。
・毎日朝夕くらいは様子を見る。羽化して羽が乾いたら(色がしっかりついたら)逃がす(賛否あるかも)。
・テントウムシは共食いする。複数でやると先に羽化した個体が他のサナギや羽化したばかりの成虫を食べるかも。単体でやるのが良いだろう。
・テントウムシに限らず、野生の卵、幼虫、サナギにはよく小さいハチやらハエが寄生している。サナギから出てくるのはそういう生き物かもしれない。そういう生物は体の大きさが小さいのでガシャポンの穴から出て行ってしまうかも。網を張るなどしても良い。
・寄生生物が出た場合、特に子供は強いショックを受けるでしょうけれど(自分も経験あり)、そのショックを受けた心もその経験も大事にして成長の糧としてあげて下さい。
テントウムシのサナギは春から夏の間は公園などでも簡単に見つけることができるはず。気が向いたらレッツチャレンジ。
──────────
余談だが、最近のカプセルはよく一体成型になっている。今回のものもそうだ。ひねってフタをあけるのではなく、パッチンととめる構造。コストダウンのためだろう。どんな物でも部品数が少ないと安くなるのだ。
さらに余談だが、このカプセルはアクアシューターズという組み立て式のフル稼働の女の子のフィギュアのもの。1個五百円。ガンダムのモビルスーツアンサンブルも同じ値段で同じカプセル。どちらもいい値段がするが遊びがいがあって好き。カプセルも大きく色も透明だったのでちょうど良かった。カプセルの色は白っぽい透明だけではない。観察するためには無色透明がオススメだが、他の色でも羽化させるだけなら問題ないだろう。
コメント
コメントを投稿